2013年07月03日

専門家、桜井先生の意見書

 辺野古の問題に長く関わっていらっしゃる専門家、沖縄大学の桜井国俊先生の意見書を紹介します。

 「利害関係の内容」は、環境関係のNGOにいらっしゃる人には参考になると思います。

 意見はさすが専門家!という内容ですね。でもみなさん、ここでひるまないでくださいね。これは専門家の意見ですし、ここから学んで書いていくのもよし、ですし、環境の面から、他のどの面からアプローチできるかな、と考えるヒントにしてもよしです。
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利害関係の内容

 私は沖縄の貴重な自然を保全し、後世に引き渡すことを最重要の目的とする環境NGOの沖縄環境ネットワークの世話人を務めている。辺野古・大浦湾の海は沖縄に残された数少ない第一級の自然であり、ここを埋め立てる事業についてはNGO活動の趣旨の点から重大な利害関係を有する。

意見

 表記申請書に示された埋立計画は下記3点の理由で十分な環境保全措置が講じられているとは言い難く、環境の保全が確実になされる保証がない場合には知事は認可すべきではないという公有水面埋立法の趣旨に基づき、知事は認可すべきではない。

1. 環境アセスメント手続きの評価書段階で知事が2012年2月・3月に指摘した579件の問題点について、2012年12月に事業者が提出した補正評価書は十分に回答したとは言い難く、辺野古・大浦湾の環境保全が図られるとの確信は到底得られない。

2. 上記知事の指摘がなされた2012年2月・3月の時点ではまだオスプレイの普天間基地配備はなされておらず、配備実態を踏まえたオスプレイについての知事からの問題指摘が環境アセスメント手続きの中でなされることはなかった。従って知事指摘に対応した補正評価書でも、また今回の公有水面埋立承認願書でも、昨年10月以来のオスプレイ配備の実態を踏まえた環境保全措置については全く記述されていない。一方オスプレイは、2012年12月に発表された沖縄県調査が明らかにした通り、普天間飛行場の外でもヘリモードで飛行するなど2012年9月に日米合意された運用ルールを全く無視した飛行を繰り返している。こうしたオスプレイの飛行実態を踏まえると、普天間代替基地で24機のオスプレイが飛行する際の安全ならびに環境保全措置については、口約束ではない特段の実効性ある措置が求められるがそれが全く示されていない。オスプレイは低周波音の問題が深刻であることが琉球大学渡嘉敷健准教授の実地調査で明らかとなっており、辺野古近隣集落の低周波音対策が全く示されていないのは重大な欠陥である。

3. 公有水面埋立計画の認可に当たっては、使用する埋立土砂の採取地および埋立地の双方における環境保全措置が適切なものであると確信できることが必要不可欠の条件である。本件埋立申請においては、埋立土砂の調達は主として購入土砂で賄うとしているが、この埋立事業は那覇空港第二滑走路建設事業と同時並行で実施され、両者の埋立土砂調達が競合する可能性がある。競合は土砂の調達先、調達スケジュール、運搬経路に影響を与えるだけでなく、搬入土砂の事前チェック体制等にも影響を及ぼすこととなろう。しかるに本件申請書では当然に行うべき競合時の検討が全くなされておらず、土砂採取地ならびに埋立地双方において適切な環境保全措置が講じられるとの保証がなされたとは言い難い。
                                                                                  以上
 
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