高江からの意見書

沖縄BD

2013年08月21日 07:00

沖縄防衛局が提出した埋立て申請書の問題の一つは、埋立て後に建設される軍事空港の機能や付随する訓練について、非常に限定された形でしかその内容が示されていないことです。示されているのは軍用機の離発着のルートや騒音等についてで、配備される軍用機による伊江島訓練場、北部訓練場、中部訓練場等での訓練との関係は示されていません。

これではあまりにも不十分です。

沖縄タイムス(2013年7月27日付け)で報道されたように、もし沖縄県が名護市の住民のみを「利害関係人」と見なし、訓練が行われる他の市町村の住民の声を無視するならば、軍事基地としての機能から目をそらしたことになります (関連する沖縄BDのブログ記事はこちら)。これは「基地被害」に苦しめられてきた沖縄県自がとる態度ではないなずです。

また、沖縄の面積は狭く、そこに基地が集中しており、市町村という行政区分で「利害関係人」を決定することがいかにナンセンスであるかを、沖縄県はしっかりと認識するべきです。

辺野古・大浦湾の基地建設予定地から、伊江島訓練場までは30数km、北部訓練場までは20数km、先日米空軍のヘリが墜落した中部訓練場(キャンプハンセン)までは10Km以下。ヘリコプターがあっと言う間に移動する距離です。これらの訓練場は、名護市以外の町村にある米軍の訓練場であり、辺野古・大浦湾の新基地に配備される予定のオスプレイも、そこで訓練することになっています。(米軍のオスプレイ配備と訓練については米軍の『環境レビュー』を参照)

埋立て/軍事空港の建設と軍事訓練の関係と、世界自然遺産登録への問題を指摘する意見書として、東村高江のヘリパッドいらない住民の会の意見書を掲載します。(ヘリパッドいらない住民の会についてはこちらのサイトを参照!)

沖縄県の対応が注目されます。




   2013年7月18日
 沖縄県知事
  仲井眞 弘多 様
                        住所 沖縄県国頭郡東村高江
                        氏名 ヘリパッドいらない住民の会
      

辺野古の公有水面埋立承認願書への利害関係人としての意見

 利害関係の内容として、高江ヘリパッドいらない住民の会は高江に新たに建設されようとしている6つのヘリ/オスプレイパッドの建設に反対している団体であり、現在の普天間飛行場以上の軍事機能をもつ新たな基地が辺野古に建設されると、それに伴い、高江に隣接する北部訓練場の使用が今以上に激しくなることが多いに予想される。

 意見として、まず、北部訓練場に隣接しオスプレイパッド建設が強行されている高江においては、辺野古基地建設が住民の暮しと周辺の自然環境へ直接多大な影響を与える。高江は子供の人口の割合が高い地域である。世界自然遺産候補であるやんばるの森の中でも、固有種・稀少種が良好な状態でしかも高い密度で存在する場所であり、ノグチゲラ等、固有種であり特別天然記念物である動植物の宝庫。その森に辺野古新基地は多大なダメージを与える事になる。又、埋め立てに使われようとしている砂は高江の海辺の砂浜から採取されることとなっており、環境が損なわれる。

 次に、この辺野古に建設されようとしている基地と、北部訓練場の関連性が埋立て申請手続きのなかにおいてきちんと考慮されていないのは不充分であり、問題である。そしてこのやんばるに残された沖縄が誇れる山と海の自然環境を壊すことは大きな問題である。このような状況では、県が目指そうとしている世界自然遺産の大きな障害になる。

                                    以上

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